R太のスパークリング日和

R太です。40代のおじさんです。男女2人の子育てと家事にフルコミット中。 どうにもならない日々のいらだちや喜びを書いてます。

13年間に読んだ本よりBEST10冊を選んでみた

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読書記録を2005年からつけ始めて13年間。数えたら、現在まで834冊読んでいる。
読んだ本をダブって買ったりしたことがあって、忘れないように記録していたのだけどまずまずの冊数。基本的には小説が多かったなぁ。とりあえず現時点の10冊!

 

①「MSX30周年:愛されつづけるMSXの歴史と未来」

834冊のトップがこれかと…。まぁ、50音順なのでエムエスエックスのえで最初です。時はファミコンまっさかりの小学4年くらい。売り切れで買えないファミコンの代わりに父が買ってくれたのが、伝説のMSXのCASIO PV-7。初ソフトは「パチンコUFO」と「熱闘甲子園」。今では信じられないくらい、しょぼいゲームだったなぁ。友達の家にみんなでゲームソフトを持って集合した。もちろん、友達の家にはファミコンがある。しかし、当時はハードの違いがわからず、ひとりだけMSXのソフトを持って意気揚々と参戦。大好きなMSXのソフトが、ファミコンのカセット挿入口に入らずなんとも気まずい思いをした。そんなほろ苦さが切なく思い出された一冊。

 

②「オルファクトグラム」井上夢人

2005年に読んだけど、相変わらずあの読後感が忘れられない。鼻が犬のように異常に発達した主人公が、姉を殺した犯人を探して追い詰めるミステリー。あらすじはなんてことないけど、まるでその主人公になったような身体性を感じられて驚いた。なんというか、どんなメディアよりもドキドキした感覚を覚えて、この物語にどっぷり入り込めた。小説ってすごいなぁ、とその可能性を感じた一冊。

 

③「神々の山嶺夢枕獏

2009年に読んだ本。これは、主人公の羽生丈二がカッコ良すぎる。いわゆる登山家や冒険家ってなんであんなことすんのかぁと思っていたけど、理屈抜きでこんな生き方もあると衝撃を受けた作品。エベレスト登頂の臨場感と危機的状況の緊迫感がすごい。文句なく面白い小説だった。まったく関わりのない分野への見識を一気に広げてくれるのは、良質な小説しかない。

 

④「禁煙セラピー」アレン・カー

ここに来てコレ。2008年読了。読書により、具体的に人生が変わることってほぼない。どんな啓発本も、その時盛り上がって終わり。しかし、これによって禁煙に成功したのだから人生が変わったといってよい。禁煙は何度も失敗していた。しかし、ちょうど付き合っていた今の妻に軽く禁煙宣言していて、その再確認をされたときに、もしだめなら別れるといわれ戦慄して始めたのだ。人間追い込まれればできるもの、でも助けが必要。そういう意味では、タバコに対する考え方をしっかり変えてくれた。とはいえ、そこから長く続く禁断症状的なものに手を焼いたのだが…。

 

「深紅」野沢尚

2004年に自殺してしまった著者。言わずとしれた有名なドラマ脚本家だった。じつは、存命中は、小説を書いているのも知らなかったので読まず。2011年にひょんなことから手にしたこの著書。この小説から犯罪の加害者家族に興味をもち始めた。なんといっても第一章のタクシーのスピードメーターの描写が秀逸すぎる。家族に何らかがあったと知らされた少女が修学旅行先から病院へ向かうシーン。ここを読むだけでも、この小説の凄みがわかる。

 

⑥「父親になる、父親をする」柏木恵子

またまた異色の作品…。2017年読了。育児本などはいろいろ読んだけど、父親本は少ないなぁ。そんな中で、このうっすい本がかなり力強く自分を勇気づけてくれている(進行形)。かなり育児をしているのだが、なんだか他の男友達や同僚、地域の人といまいち話が合わない。はっきりいって、育児と家事にコミットしすぎのためである。日本において自分のようにガッツリ育児に時間を費やす男性はマイノリティらしい。マイノリティとは世間では、なんだか息苦しいのである。でもあんたのほうが正しいし、将来安泰だよ!とこの本は肩をたたいてくれたのである。

 

⑦「虹の谷の五月」船戸与一

これも想い出深い小説。2012年夏に読了。この時期、第一子が9月出産予定だった。その1月前にフィリピンセブ島にいたのである。出張?ノンノン!齢38にして語学留学1ヶ月である。ちょうどオンライン英会話をやっていたところが、留学学校も運営していて安かったので会社を休んで行ってみた。留学がしたかったし、子供生まれたら無理だろうなぁと思いつめた挙げ句、妻に提案。なんとか義父母の助けもあり、留学しました。そのときに一人トカゲの這う部屋で夢中に読んだのがコレ。フィリピン・セブ島を舞台にしたある少年の物語。未知の外国のことを知るには優れた小説がてっとり早いという格言はそのとおりだった。船戸さんも死んじゃったなぁ。

 

⑧「弥勒篠田節子

これはすごかった。まぁ、カンボジアポルポト政権の大虐殺をテーマにそこにたまたま居合わせた日本人が巻き込まれてしまうお話。2008年読了。夢中で読んだけど、宗教的なテーマも内包していてなんとも重く、素晴らしい小説だった。この小説を機に篠田節子にしばらくハマることに。なんといっても、直前まで読んでたこの本の影響で、その後はいったお気に入りの荻窪のラーメン店の分厚いチャーシューが食べられなかった。なんか胃がせり上がってしまって…それだけ残酷なシーンの描写がすごかった…

 

⑨「乱反射」貫井徳郎

2011年に読了。ミステリー&社会派小説として一級品だった。この著者の小説では一番好き。人が作る自分語りって結局独りよがりなんだ、ってことに気づかせてくれるなぁこの小説は。よく有名人とかでもいじめられてた経験を話す人って多いけど、いじめてた経験って話さない。小山田圭吾くらいかぁ。彼の軽々しい経験談は、浅はかだけどとても正直だ。でも、いじめてた人が将来自殺してたらどうする?その因果関係が意図せず自分にあったら?通常は立証できないが、可能性はだれにでもある。人生でやった自分の数多の行動が、人の死や悲劇に関わっている可能性がある。そんなことを考えてこわって思った。

 

⑩「私という運命について白石一文

タイトルもずるい。そして、文中にでてくる手紙もずるい。とにかく、泣かせられた小説で、この時期よぉく人に勧めたなぁ、この小説を。2005年読了、ずいぶん前だ。この小説以降、白石一文の小説はほぼ読んでいる。なんだか、心地がいいのはこの小説でだいぶハマったからかな。さり気なく出てくる、不思議な現象とマジック・リアリズム手法を駆使して現実社会のことがらとリンクさせるのがとてもうまい。文字通り、ある女性の人生をせつなくも鮮やかに描いた良作。


834冊を集計して、この結果。わからないもんだと思う。でも、もちろん他にも大好きな作家や本がある。とりあえず今のベストはこれらということで締めます。

 

ちなみに、単純な冊数でいうと、よく読んだ作家ベスト3は

白石一文 23冊、篠田節子 20冊、東野圭吾 18冊 でした。